AOI Film Craft Lab.で出会うメンバーの行動力とフットワークには驚かされることがたくさんあります。今回はそんなメンバーのひとり、@-- さんにインタビューしました。登録した直後から、セミナーやイベントを積極的に活用して、自分の学びに変えていくMARINさん。お話していると「自分ももっと動かねば!」と思わされることばかり。なかなか行動が出来ない人、イベントやセミナー参加をためらっているメンバーの方はぜひチェックしてください。

MARIN
武蔵野美術大学クリエイティブイノベーション学科所属。
iPhoneのカメラを使った映像作品を制作。
WEBSITE: https://jimmyshelter.wixsite.com/my-site
Instagram: https://www.instagram.com/humming.marin.bird/
アートユニット Yellow Mug: https://yellow-mug.com/


映像に興味がある人しかいない場所って面白い

——ポートフォリオの作品拝見しました。映像以外もたくさんアート作品を制作されているんですね。

MARIN: 今、武蔵野美術大学に所属しているんですが、学科が結構新しいことを試しているんです。絵を描くとか、彫塑をつくるとか、プログラミングをするとか……そういうの美大ならではのことは全部1、2年生の2年間でやってしまって、3年生以降は、思考力、表現力を組み合わせて、会社と提携してアイデアを提案する、というようなことをやります。
わたしは今は3年生で、やっぱり映像が好きなので、映像作品をつくることが多いです。


——映像が好きになったきっかけはありますか?


MARIN: 映画やミュージックビデオは常に家の中にあったんです。両親が、ちっちゃいころからファッションやアートをたくさん与えてくれていたように思います。だから、音楽と映像の融合にはずっと興味がありましたね。今つくっている作品では、父親と一緒に音楽をつくることにも挑戦しています。

——お父様と一緒に制作ってすてきですね。

MARIN: すごくありがたいなと感じます。でもたぶん一番のきっかけは、高校生の時に観たiPhoneのCMでレディー・ガガの「Stupid Love」のMVですね。

MARIN: カラフルな人たちが戦隊ものみたいに踊っている映像なんですけど、観ていたら最後に「iPhone 11で撮影しました」ってテロップが出たんですよ。ちょうどそのときiPhone11をもっていたので「これ、わたしのiPhone 11で撮れるの?」ってびっくりして、自分も何か撮りたいと思ったんです。大学に入ってから「iPhoneでどれだけのことができちゃうんだろうな?」って試したくて、映像作品をつくり始めました。

——AOI Film Craft Lab.はどこから知っていただいたんでしょうか。

MARIN: 以前、あるデザイン事務所のアートディレクターの方とお話する機会があって、自分を知ってもらうために「映像作品をつくっています」とお伝えしたんです。そうしたら「君は日本の映像の会社をどれだけ知ってるの?」って聞かれて「今、10個は出てこないとダメだよ」って言われたんですけど、お恥ずかしながら全然名前が出てこなかったんですよ。それで、これはやばいな、と焦って、すぐに調べました。検索して最初に出てきたのがAOI Pro.だったんです。その流れでAOI Film Craft Lab.にも登録しました。
登録してすぐに業界研究のイベントがあったので、出てみたらすごく面白くて……これは続けるしかないな、と。アオイラボって、映像に興味がある人しかいないじゃないですか。同じ分野に興味がある人と会える。交流できて、その人たちが何をしているのかを知れる。逆に自分を発信することもできる。お互いに刺激になるな、と思います。まず、そういうコミュニティができるっていうのはすごく貴重なことですよね。
それから、このラボに入ってなければ絶対聞くことができない、リアルで会って話すことさえできない方々のお話を直接聞けるっていうのは、すごいことだと思います。





リアルでは絶対に会えない人と話せる


——セミナーやイベントに色々参加していただいていますよね。印象に残っているものがあれば教えて下さい。

MARIN: 一番は林響太朗さんのイベントですね。対面でイベントに参加しました。それで、イベントの後にも色々お話しできたので「わたしもつくった映像を個人的に持っていったらみてもらえますか」ってお願いしました。

——えっ!?    林響太朗さんと元々お知り合いだったなんてことは……?

MARIN: いえ、初対面です(笑)。でも、すごくカジュアルに話してくださって有難かったです。ほかのところで響太朗さんが出している課題を聞いたので、「同じ課題でつくったらみていただけますか」って頼み込んで、OKをいただけたので一週間ぐらいで急いで作品を仕上げて、直接見ていただきました。お時間を設けていただいて、鋭いアドバイスをいただいて、やっぱりまだまだだなって、すごく実感させられましたね。

——すごい行動力ですね。どんな作品をつくられたんですか?

MARIN: 「こども」をテーマに、 “Be A Kid Again”という映像をつくりました。最近、大人になるって、すごいクレイジーなことだって感じているんですよ。経済的に自立しなきゃいけないし、全ての言動に自分の責任が伴うし、取捨選択を自分でやらなければいけない。やらなければいけないことっていうのがどんどん増えてきて、現実志向になる。でも、それがちょっと苦しいときがあります。「あのとき子どもだったわたしたちはどこにいったんだろう?」って。だから、「子ども時代のわたしたちは、見えてないだけで、きっとどこかにまだいるんだよ」って……そういうメッセージを込めた作品をつくったんです。

——どんなアドバイスをもらえたか、伺ってもよいでしょうか。

MARIN: 演出面のアドバイスをたくさんいただいて、ハッとさせられました。出ていただいた方のその人らしさ、子どもらしさを引き出すには、もっと他の手段があったんじゃないのか、というのがとても印象に残っていますね。
映像を見せに行ったとき、林響太朗さんと一緒にいた方もお話をしてくださったんですが、その方は過去に「カルロス・ゴーン氏を子どもっぽく撮る」という仕事をされたことがあったそうで、「どうやって子どもっぽくしようか」って考えて、写真撮影をするところにミニカーを置いたそうなんです。出来上がった写真を拝見したら、すごく柔らかい表情をしていて、ああ、そうやって引き出すんだ!って感動しました。わたしは演技をしてもらうことや、数字(映像内にいれたテロップ)に頼りすぎてしまったかな、と。
ほかにも、その通りだなって思うようなアドバイスばかりいただきました。考えることがまだまだたくさんあるなって思うのと同時に、ほんとうに細かいところまで考えて表現する手段があるんだなって知ることができました。表現の手法が広がりそうだなと思いました。
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撮影風景

子どものころのままの発想で

——MARINさん、フットワークがすさまじく軽いですね……

MARIN: 軽すぎて困ってます(笑)。去年、友達がフランスのルーブル美術館で展示をしてたんですけど、わたしが気づいたときには展示が二日後までだったんですよ。あ、これ、明日行くしかないってな……って。コロナ禍だったので、一日で厚生労働省とかあちこちに電話しまくって、ホテルとか飛行機を1日で準備して、翌日の朝4時くらいに出発してフランス行きました。そのくらいは軽いです。

——軽すぎます!(笑)。でも、それってすごい強みですよね。これから挑戦していきたいことはありますか。


MARIN: 職業を何にするか、って考えると思い浮かばなくて、今ちょっと焦ってるんですけど、クリエイティブなことはやり続けたいです。自分の持っていること、伝えたいことを発信し続けたいとは思っています。それが、1人でも、本当に1人でもいいので多くの人に伝われば嬉しいなと思います。楽しいとか可愛いとか、すこしでも誰かの心が動かせたらいいな、と。今も、とにかくコンスタントに作品をつくり続けています。

——ぜひ、つくりつづけてください。どんなものをつくってみたいと思いますか。

MARIN: 現実の世界に奇想天外な面白い発想がまぎれていたりするものは、つくってみたいなと思います。子どものころにもっている飛び抜けた発想を、映像にできたらなと思うんです。
たとえば、AppleのCMで、悲しそうに歩いてる女性が映っていて、その人がマフラーを巻いてるんです。その女性が歩いて行くと、マフラーがだんだん伸びていって、足、着いちゃうぐらいまでこれだんだん伸びてきて、最後は道路が全部マフラーになってしまう。悲しいって表現をすごく短い中で表現できるのすごいなって。そういう発想を大切にした作品ができたらいいなと思います。

——さきほどの作品のメッセージにもつながっているように思います。制作において大切にされていることがあれば教えてください。

MARIN: 本気で遊ぶ、です。映像をつくるとか、生きている中で、絵を描くとか、友達と外に遊びに行くとか、旅に出るとか、あと普通に勉強するとかも、そういうの全部遊びだと思っていて、大人になってもそういう遊びを適当じゃなくて本気でやり続けたいなと思っているんです。
アオイラボでも、本気で一緒に遊んでくれる人に会えたらうれしいです。
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制作も、勉強も、全力で楽しんでいるMARINさん。お話していて、ポジティブなエネルギーをわけてもらったような気持ちになりました。

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