今回の AOI Film Craft Lab. Creator Interviewは、AOI Film Craft Lab.には立ち上げ当初から講師としてご尽力いただいている、大石健弘さんにお話をうかがいました。大石さんの作品に溢れるあのあたたかい雰囲気がどこからきているのか、きっとこのインタビューからも感じていただけるのではにでしょうか。さらに『神山まるごと高専 ドキュメンタリー』を例としてとりあげ、ドキュメンタリーの撮影方法についても詳しくお話しいただきました。ぜひ、チェックしてください。

大石健弘
株式会社Happilm代表。横浜国立大学卒業後、葵プロモーション(現 AOI Pro.)に入社し多くのCMに関わったのち、独立。ドキュメンタリー映像を中心にしたTVCMやWEBムービーなどの監督として活躍。
2018年 アドバイザーとしてAOI Pro.ビデオグラファーチームの立ち上げ/育成に参画。
2022年からは「えいぞうの教室」での講師や、THE WORDWAYでのメインインタビュアーを務めるなど、活動の幅を広げている。
ポートフォリオ:https://www.takehirooishi.com/
えいぞうの教室:https://note.com/happilm/n/n44da109cd61c
THE WORDWAY:https://the-wordway.com



「好き」と仕事の間で、自分の撮るものを探して


——大石さんにとって、映像に対する原体験のようなものはありましたか。

大石:小学生のころ、親戚が買ったビデオカメラを貸してもらって、マラソン大会なんかを撮ったんです。それがとても楽しかった。中学生になってからは、お笑い番組の真似をしたり、コントを撮ったりしていました。映画も観始めました。まだVHSのころ、近くのレンタル店に行ってSF映画を借りたことを覚えています。本当は吹き替え版を借りたかったのですが貸出中だったので、「字幕でいいや」って初めて字幕で洋画を観た。そうしたら全部観られたんですよ。それほど面白くて引き込まれた。続けて収録されていたメイキングを観て、すごく興味を引かれて、自分も映画をつくってみたいなと思うようになりました。それで、高校時代に学園祭の出し物をやるとき、「やったことないんですけど、映画撮りたいです」って言って、本当に撮ってみたんですよ。「できるわけねえだろ」って言われたけど、「やってみないと分からないよ」ってやり切った。そこから「俺は映画監督になる」って言うようになりました。

——そこから、どういった経緯で今の映像制作のお仕事に進まれたんでしょうか。

大石:仕事がどうこうっていうより「映画監督になりたい」って漠然と考えてたんでしょうね。僕は末っ子で、進学先は国公立しかだめと言われていたので、一番映画に近そうに見えた、横浜国立大学のメディア系の学科に進みました。
就活の時期、働いている人に話を聞いたりして、CM業界、テレビ業界、映画業界がそれぞれ全然違うということが初めてわかりました。当時あった『広告学校』というスクールへ通い、プランニングなどをやってみたら、これが面白かったんです。それで一気にCMに興味をもって、新卒で入れる制作会社を探しました。

——それで現AOI Pro.に就職されたんですね。先日大石さんのSNSで、興味深いポスト を拝見しました。
投稿にある「お前はどんな作品が作りたいの?と、先輩に問われ続けた20代」 のころ、どんなことを感じられていたのでしょうか。

大石:制作部には入ったんですが……🔒


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